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古民家リモデルの処方箋!!

建築当時の美しく豪快な佇まいを生かしたリノベーション

【Buku×Franc】

BEFORE

―お客様のご要望—

  • 定年を機に賃貸マンションを引き払い、セカンドライフを楽しめる家に改修したい。
  • 建物の経年劣化や雨漏りなどを気にせず、安心して暮らせるようにしたい。
  • 窓や開口部は隙間だらけで、マンション暮らしだったので特に冬の寒さを解消し、快適に暮らしたい。
  • 薄暗い部屋が多く四間の和室も使い勝手が悪い。
  • 更に家族の趣味も生かせる間取りになればうれしい。

 

AFTER

―設計コンセプト—

お施主様がご両親から引き継いだ築66年の石場建ての家は、南北に縁側を配した四間取り(田の字)の和室を中心とした奈良の伝統的な民家です。過去に竈をキッチンに改修したような形跡が見受けられました。
今回のリノベーションでは、以前のリフォーム部分を取り壊し、建築当時の素直で美しく豪快な佇まいを生かしたプランをご提案させていただきました。
ただとても広いおうちですので、すべてをリモデルするのではなく、メリハリをつけたプランにするとともに、予算削減と思い出作りとして、お施主様でできる工事はDIYしていただくことになりました。

一番日当たりがよく中庭が見える南面の和室はご家族が集うLDKにし、日常生活での導線だけでなく来客時の導線どちらも使い勝手良く、友人とホームパーティーを楽しめるようなオープンキッチンを配置しました。デザインと導線、断熱計画、収納計画、セカンドライフなどを見据えたリノベーションをご提案させていただきました。

Dining
縁側を取り込み
広々としたLDK


南側の和室2間と縁側だった場所を取り込み、広々とした明るいLDKに。
壁は珪藻土クロスと塗装部分を使い分け、床材は足ざわりが優しいコルクタイルを採用しました。

 
Dining
新旧のバランスと
空間の調和


梁や差し鴨居などの構造は残し、天井は現し古色塗装で色の調整を施しました。壁は珪藻土クロスと塗装部分を使い分けています。新旧のバランスとメリハリに配慮し、空間の調和を心がけました。
Kitchin
キッチンを囲んで
団欒のひとときを


コミュニケーションの場はキッチンを中心に。
ご主人が釣ってきた魚を、仲間と料理して友人に振舞う笑顔あふれるひととき。そんな場面もこれから増えそうです。
Kitchen
古民家の風合いを
生かして


サーモウッドオークでカウンターを製作。古民家の持つ風格を引き立たせてくれます。
食卓側にIHを配置したことで、キッチンを囲んでお鍋をすることも。
 
Living
食す、語らう
くつろぎの場へ


窓の性能や床下の断熱などを整えたうえで、太陽の光や風をうまく利用することで、パッシブで快適な空間をめざしました。
正面間仕切りの格子戸、TVボードなどは地元吉野杉材を使用して造作しました。
 
Dirt Floor
通り土間の再生

その昔キッチンへとリフォームされた形跡のある土間を、建築当時の素直で美しく豪快な佇まいへと再生させました。
解体したエンガワのケヤキの床材は、玄関通り土間の式台へとリメイク。
Dirt Floor
唯一無二の存在感
懐かしい古箪笥


古い味のあるものがお好きな奥様。通り土間には先々代の箪笥を設置しました。
家と一緒に歳月を重ねてきた古箪笥は、古民家の風格にマッチする唯一無二の存在感。奥行があり生活用品や掃除道具がたっぷり入り重宝しておられるそうです。
ご主人も懐かしい思い出の品物が、生き生きとよみがえった姿にうれしそうなお顔をされていました。
Door
古建具をリメイク

古民家の風合いを損なわないよう、建具はできるだけ古いものを使用したいと思いました。
建築時に使用されていた建具に蚊帳を張って再生したり、蔵に眠っていた古建具をリメイクしたり、他の現場でいらなくなった古建具を再利用したりと、手を掛けて蘇らせました。
 
Free Space
小屋裏納戸は
山ガールのお城


小屋裏納戸には大容量の壁面収納を製作。 アウトドア好きな娘さんがハンモックを吊るしたり、トレーニングしたり、友人を呼んで合宿所にしたりと多目的に楽しめるお部屋になりました。
Bathroom
ゆったりと寛げる
癒しの浴室


もともとは別棟にあり、寒く不便な面の多かった浴室、洗面、トイレの水廻り設備。
今回のリノベーションでは、別棟を減築し、水廻り設備を母屋の中に新設しました。

TOTO サザナ
 
Powder room
広々ゆとりの
洗面脱衣所


約3畳の広さがある洗面脱衣室。断熱改修をしっかり施したので、もう冬の寒さも心配ありません。ゆとりのある広さで、朝の身支度も安心です。

TOTO サクア

BEFORE

AFTER


担当からのコメント

初めて建物を見させていただいたとき、素敵な佇まいのお家だという印象を持ちました。
奥様のお悩み、ご主人の希望、ご家族の趣味、交友関係などをまずはたっぷりとお聞かせいただきました。とても明るくご友人が多い奥様と、土いじりや魚釣りが趣味で魚もさばかれてご友人と楽しまれているご主人の事。娘さんはアクティブで山登りがご趣味で、本格的な山登り用の道具が沢山あり、今は収納に困っている事など。お話を聞いていると次々にこれからのライフプランが頭に浮かび、思いのままお話をさせていただきましたが、ご要望をすべて叶えるには予算がオーバーになることをお伝えし、ご依頼を辞退しました。
その後、お施主様から「どうしても創造工舎でリノベーションしたい。」と再度ご依頼を頂きました。初めてお話させていただいた時のワクワクしたイメージが忘れられず、施主様の方でも「あぁしたい、こうしたい」と夢やイメージが膨らみ、ご夫婦でじっくり話し合われたそうです。弊社なら妥協せず、とことん想いを汲み取ってもらえると判断していただけたとのお言葉、とても嬉しかったです。工事が終わってからも、お家生活を満喫しておられる写真を送ってくださったり、楽しそうなご様子を拝見するたびに嬉しい気持ちでいっぱいになります。

設計:Buku 施工:Franc

お客様の声

私たち家族が具体的に言葉にならなかった想いや心理や将来像をカタチにしてもらえました。
私たちの想像を超えた暮らしのデザインを実現してくださいました。

出来上がった今、近いうちに家を出て行く!と公言していた娘が家に楽しみを見出しツシのフリールームに山グッズを飾り、ハンモックを吊って、山友達と合宿や拠点にする!と言い出しました。どうやら家に居座る兆しです。
懐かしい建具のリメイクやエンガワを解体したときに取っておいてくれたケヤキの床板を玄関の式台に再生したり、構造の柱や梁を古色で整えたり工事中も感動の連続でした。主人も懐かしいものがよみがえってとってもうれしそうです。おばあさんの時代の古い箪笥も収納にと重宝しています。

リノベーションにしかできない、古い民家でしか出来そうにない魅力のある空間に出来上がったときは、涙が出るほどうれしく感動しました。又、私たちも防湿工事のため、床下にもぐって職人さんと一緒に汗をかいた事は我家の武勇伝になっています。リノベーションの後、家族で過ごす時間が増えました。憂鬱だった家がとても愛おしく何を飾ろうかと毎日暮らしに彩りを添えてワクワク過ごしています。

施工情報
 
 施工内容  古民家改装
 構造  木造
 工事面積  147.7㎡
 工事金額  約2,000万円
 築年数  66年
 工事期間  約110日
 工事場所  キッチン、リビング、浴室、洗面所、トイレ、その他